もみの木は杉やひのきに比べると、
私たち日本人には馴染みがうすい木かもしれません。
「もみの木」と聞いて多くの人がいちばんはじめにイメージするのは
いまの時期は街のあちこちで見かけるクリスマスツリーでしょう。
キリスト教が広まる以前のヨーロッパにおいては、
クリスマスの時季は冬至を祝うお祭りが行われていました。
太陽信仰が行われていた古代、秋から冬にかけ、
日照時間が短くなると死が近付くと恐れられていました。
しかし、冬至を境に日が長くなることから、
人びとはそれを「太陽の復活」としてお祝いしていたそうです。
太陽とともに寒い季節でもいきいきと葉を落とすことのない常緑樹も
「永遠の命」のシンボルとして飾られていたことから、
クリスマスには常緑樹を飾るようになったともいわれています。
クリスマスツリーの由来には他にも諸説ありますが、
その中のひとつに、ヨーロッパの長い冬の間、
もみの幼木が病気にならないようにと
家の中に入れられたことから始まった、という説があります。
クリスマスの時季と重なり、もみの幼木は飾られていきます。
それがクリスマスツリーの始まりだとか…
もみの木には、病原菌などを寄せつけない抗菌作用があります。
昔の人びとはそれを知っていて、閉ざされた冬の家の中にもみの木を入れ
幼木を守るとともに、その効能の恩恵にあずかったのかもしれません。
日本人にもっと馴染みのあるもみの木の使われ方は、
クリスマスが過ぎた新年の季節に登場します。
初詣者数が毎年全国トップの日本を代表する神社
明治神宮のある「代々木」という地名は、
代々この地にもみの大木があったことからつけられたとされています。
その神社でいただくお札や、
祈願や感謝のために納める絵馬にももみの木が使われています。
おせち料理には欠かせないかまぼこの板にももみの木。
白くてにおいや節がなく、適度な堅さで
かまぼこから出る余分な水分を吸収し、
抗菌作用により腐りにくくカビにくくしてくれます。
そんなもみの木の内装材を使ったもみの木の家は、
湿度を適度に保つ調湿効果、
床や壁の温度変化を少なくする蓄熱効果、
空気を浄化する抗菌・消臭効果で冬の暮らしを快適に支えます。
もうすぐクリスマス。そして新たな1年のはじまるお正月。
どうぞ大切な人と、温かい時間を過ごしてください。